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- 罰則について
HACCP義務化を無視すると
どうなる?
営業許可証の更新不可、
罰則・罰金の可能性あり
HACCPの義務化を無視していると、
場合によっては2年以下の懲役、
もしくは100万円以下の罰金刑が
課せられる可能性があります。
2021年より法律でHACCP義務化。食品衛生法に罰則があるの?
HACCPの制度化は法律で定められたものでありますが、改正食品衛生法では明確に罰則が規定されていません。
しかし、全く罰則がないとは言い切れません。なぜなら、改正食品衛生法には以下のような条文があるためです。
「都道府県知事等は、公衆衛生上必要な措置について、第一項の規定により定められた基準に反しない限り、条例で必要な規定を定めることができる。」
どういうことかというと、都道府県にて定められる条例にて罰則が規定される可能性があるということです。
地方自治法によると、条例で定めることができる罰則は「2年以内の懲役、100万円以下の罰金」という上限がありますが、それでもなかなか重い罰則です。HACCPの義務化に対応できているかは営業許可の取得や更新のときにもチェックされる可能性がありますので、義務化を無視することはできないと考えておきましょう。
罰則の適用については、下記のような流れで進行します。
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衛生管理状況に不備がある場合は口頭や
書面などで改善指導が行われます。 -
口頭や書面での改善指導が図られない
場合には営業の禁止や停止、
行政処分が下されることがあります。 -
上記の状況で営業を行った場合は
懲役や罰金の可能性があります。
改正食品衛生法の概要は
本法案の概要は以下の通りです。
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1.広域的な食中毒事案への対策強化
国や都道府県等が、広域的な食中毒事案の発生や拡大防止等のため、相互に連携や協力を行うこととするとともに、厚生労働大臣が、 関係者で構成する広域連携協議会を設置し、緊急を要する場合には、当該協議会を活用し、対応に努めることとする。
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2.HACCP(ハサップ)※に沿った衛生管理の制度化
原則として、すべての食品等事業者に、一般衛生管理に加え、 HACCPに沿った衛生管理の実施を求める。
ただし、規模や業種等を考慮した一定の営業者については、取り扱う食品の特性等に応じた衛生管理とする。
※事業者が食中毒菌汚染等の危害要因を把握した上で、原材料の入荷から製品出荷までの全工程の中で、危害要因を除去低減させるために特に重要な工程を管理し、安全性を確保する衛生管理手法。先進国を中心に義務化が進められている。 -
3.特別の注意を必要とする成分等を含む食品による健康被害情報の収集
健康被害の発生を未然に防止する見地から、 特別の注意を必要とする成分等を含む食品について、 事業者から行政への健康被害情報の届出を求める。
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4.国際整合的な食品用器具・容器包装の衛生規制の整備
食品用器具・容器包装について、安全性を評価した物質のみ使用可能とするポジティブリスト制度の導入等を行う。
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5.営業許可制度の見直し、営業届出制度の創設
実態に応じた営業許可業種への見直しや、現行の営業許可業種(政令で定める34業種)以外の事業者の届出制の創設を行う。
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6.食品リコール情報の報告制度の創設
営業者が自主回収を行う場合に、自治体へ報告する仕組みの構築を行う。
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7.その他(乳製品・水産食品の衛生証明書の添付等の輸入要件化、自治体等の食品輸出関係事務に係る規定の創設等)食品衛生法等の一部を改正する法律
本法案はHACCPに沿った衛生管理の制度化を公布日から2年を超えない範囲内において政令で定める日までという期日を設けています。
これは、法案公布後から2年後の2020年6月から本法案は施行され、経過措置期間を経て2021年の6月から完全に義務化が開始するということです。
つまり、食品関連事業者は遅くとも2021年の6月までにHACCPによる衛生管理制度の導入を行わなければなりません。